今回は流体力学の専門家として、秋になるとに気になるインフルエンザの流行について、空気の流れや環境の視点から、分かりやすくお伝えします!
今年は流行の立ち上がりが早いようですが、私たちが注目すべきは「空気」の状態。インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみで飛び出す飛沫に乗って拡散されます。この小さな粒子の動き、つまり空気の流れがウイルスの拡散に大きく関わっているんです。
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専門家が解説!インフルエンザが冬に流行する「流体」の理由
インフルエンザウイルスが、特に冬に活発になるのは理由があります。
1. 「乾いた空気」はウイルスの最高の運び屋!
インフルエンザウイルスは、乾燥した低い温度を好みます。
ウイルスの生存時間延長: 空気が乾燥していると、飛沫の水分がすぐに蒸発し、ウイルスだけが軽くなって長時間空気中を漂いやすくなります(飛沫核。水分の傘を失ったウイルスが、広範囲に、長く感染力を保って拡散してしまうのです。
喉や鼻の防御力低下:乾燥は私たちの粘膜の防御機能も低下させます。喉や鼻の粘膜がカサカサになると、ウイルスを体外に排除する働きが鈍り、侵入を許しやすくなります。
2. 「閉じられた空間」での濃密なウイルスの渦
寒さから窓を閉め切りがちな冬の室内は、流体力学的には要注意です。
ウイルス濃度の上昇: 換気されない空間では、感染者の咳によって室内のウイルス濃度がどんどん上がってしまいます。まるで、コップにウイルスを注ぎ続けるように溜まっていくイメージです。
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流体の知識を応用!インフルエンザをブロックする3大予防法
空気の流れや湿度のメカニズムを知れば、取るべき対策はシンプルです!この冬を元気に乗り切るために、効果的な3つの対策を実践しましょう。
1. 加湿で「ウイルスの着地」を促す!
室内では湿度を50〜60%に保つことを心がけましょう。湿度を上げると、空気中の小さなウイルス粒子が水分を吸着し、重くなって地面に早く落ちる(沈降する)ようになります。
2. マスクと「咳エチケット」で飛沫の流れを制御!
咳やくしゃみをするときは、必ずマスクやティッシュ・肘の内側で口と鼻を覆いましょう。これは、ウイルスを含んだ飛沫の「飛距離」を抑えるための、最もシンプルな流体制御です。
3. 「空気の入れ替え」でウイルス濃度をリセット!
室内に溜まったウイルスを外に出しましょう。1時間に1回、数分間で良いので窓を開けて空気の通り道(対角線上など)を作ると、効率よく空気が入れ替わり、ウイルス濃度を下げることができます。
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基本的な手洗い・手指消毒も忘れずに!科学の力を味方につけて、インフルエンザに負けない元気な毎日を送りましょう!