シロッコファンとは商品名で、シロッコ扇風機の小型の物の事です。シロッコ扇風機について説明すると、シロッコ扇風機は多翼ファンの一種で、送風原理上は遠心ファンに分類されます。その構造ですが、多数の羽が垂直に立てられ、回転筒のようになっています。そこに集まった空気は垂直方向に排出され、比較的静圧の範囲で用いられる送風機です。
その羽根車には4つのタイプがあります。まずは、1枚板プレス成型タイプですが、軽量で低価格の小型、量産向けです。次に巻締めタイプで3枚の銅板からプレス成型されたもの、そして折り曲げタイプですが、こちらは50枚くらいの板を差し込んだ後に折り曲げて成型したものです。それから、リベットかしめタイプと言って高温、低温、高速等の劣悪な環境に最適な物で大型向けといったものがあります。
また、片側吸込式、両側吸込式といった2つのタイプがあり、それぞれの異なる構造を見てみますと、片側吸込式は羽根車、渦巻きケーシングを片側で吸い込む構造、両側吸込式はそれらを両側から吸い込むと言う構造です。その他に羽根車の片側に軸受を配置した片持式、両側に軸受を配置した両持式という2つのタイプもあり、ごく一般的な一連式、1つのモーターで2つの羽根車を駆動する二連式があります。その他に回転軸や回転方向、吐き出し方向によるようなものを発注して作るということも出来ます。また、サイズについても発注することで、ご希望通りの小型のものを作れます。そして、材質ですが、一般銅板やアルミ等が多いようですが、相談次第で他の材質のものも作れるようです。こういった特徴を踏まえておくと、必要なとき、必要なものを発注するのに役立つでしょう。こういったファンは、様々な場所で使われています。
シロッコファンの用途について紹介します。その用途は多岐にわたります。たとえば、換気扇、一般空調、恒温槽、冷凍倉庫空調、半導体製造工程、電子部品の製造工程、クリーンルーム、塗装ブース排気、自動車関連の製造過程試験、各種プラントの排気等があります。
このようなことからも分かりますように、こういったファンはあらゆる業界で使用され、その性能が活用されているのです。一般空調では、家庭で使われるものもありますし、レストラン等のお店で使われるものもあるでしょう。恒温槽は科学実験に用いられる一種の器具で長時間一定温度に保てるような構造になっていますから、科学実験の分野においてもシロッコファンが活用されているのです。そして、化学工業品、医薬品、食品等を取り扱う様々な産業でも冷凍倉庫は使われ、人々の生活の役に立っています。また、半導体は電化製品、交通、通信といった社会インフラに欠かせない存在です。そして、電子部品は電球、蛍光灯、電池等あらゆる生活用品に使われますし、クリーンルームは精密工業製品の製造には欠かせないものです。それから、塗装ブース排気は塗料のにおいを吸い取って排出する優れものですし、自動車は人々の生活に今や欠かせないものでしょう。その上、各種プラントの排気もあらゆる産業で使われています。
このようなことから、ファンがどれだけ人々の生活に密着しているか分かります。つまり、日本の産業はこういったファンなしでは成り立たないでしょう。あらゆる産業はもちろん、人々の日々の生活にこうしたファンの存在は欠かせないのです。普段は当たり前のように思っていることでも、ありとあらゆる人たちの手が加わり、持ちつ持たれつの良い関係になっているのです。
シロッコファンとはシロッコ扇風機の小型のものをいいますが、プロペラファンとはどういうものか、またどのような違いがあるのでしょうか、その違いについて、考えてみましょう。
まずは、プロペラファンについて、ご説明致します。プロペラファンは住宅等でよく見られる換気扇に使われ、その名の通り、プロペラのような羽根がむき出しになっています。その羽根を回して空気を送りだすと言う仕組みになっていて、壁に直接取りつけられます。そういった単純な構造なので、お手入れはしやすいのですが、吸い込む力が強力なためか、音が比較的大きく、騒音と取る人もいます。また強風の影響を受けやすいようです。
シロッコ扇風機の小型のものはレンジフードなどの換気関連の設備に使用されます。細長い縦長の羽根が筒状に取り付けられたファンの回転で汚れた空気を外に出します。その際、接続されたダクトを通すのが特長です。こうすることで、屋外と隣接していない場所でも設置できますから、マンション等に設置される場合が多いでしょう。屋外の風の影響を受けないと言ったこともその理由になります。そして、音は静圧されていますので、プロペラファンよりも静かでしょう。また、コンロの上に覆いかぶさるように設置できることから油煙等の捕集効果が高いという特徴もあります。